大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)270 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松野祐裔の上告理由第一点および第二点について。

原審は、本件土地が疎開建物中の上告人の夫D賃借部分の敷地の東側に位置し右

敷地と別異の土地であると認定し、右両者に一部重複する部分がある旨の上告人の

主張につき、上告人本人の供述はこれを確認するに足りない旨判示して、右主張を

認めなかつたのであるが、原審の右事実認定および証拠の取捨判断は首肯すること

ができる。したがつて、「両地がかような僅少の部分を共通にするということだけ

では、本訴土地を以て疎開建物の敷地であるということはできない」旨の判示は、

不必要な判示にすぎないから、原判決に所論のような理由不備または理由そごの違

法はない。

したがつて、本件土地が前記敷地と一部重複することを前提とする所論は、その

前提を欠き、採用できない。

同第三点について。

原審は、罹災都市借地借家臨時処理法九条、二条にいわゆる優先賃借権の成立を

認めなかつたのであるから、右優先賃借権の対抗力を云々する所論は、その前提を

欠き、採用できない。

同第四点について。

原審は本件土地を罹災都市借地借家臨時処理法九条、二条にいう敷地でないと認

めたのであるから、本件土地につき同条に基く賃貸借の成立を認める余地はないの

であり、しかも本件においては、被上告人に対抗できる賃借権の認められない限り

上告人は敗訴を免れないのであるから、所論は結局判決に影響を及ぼすことの明ら

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かな法令の違背を主張するものとはいえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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